感受性が衰えていく気がするはなし
いまでも思い出して、なんともいえないような気持ちになる情景がある
自分は中学生で、母と山奥に所有する土地の様子を見にいった
まわりはちらほらと民家はあるけれど、人の気配はほぼない
秋から冬に変わるくらいの時期だったとおもう
篠竹にかこまれて、一部だけ草が刈られた土地にぽつんと立つ母
少し遠くからみている自分
冷たい風が吹いて、まわりの木々がざわざわとなる
二人とも無言だから、自然が出す音だけが響いている
なんだか物悲しい感じがした
その時の自分が何を考えていたのかはもう思い出せないけど、
あと何回この土地にこれるだろうか、とか、母の白髪が増えたなあとか思っていたのかもしれない
この時の光景は、当時、その場でも「あっ」と思ったし、その後も度々思い出す。
最近、むかしだったら印象に残るものだったはずのことがおきても、この時のような「あっ」と感じることがなくなった。
もう30年以上生きてるから、圧縮されてしまっているのだろうか。
過去の自分の感受性を頼りにしている。